昭和2年(1927)、即位して間もない昭和天皇が奄美大島に行幸したことは、奄美の歴史的事件として、昇 曙夢『大奄美史――奄美諸島民族誌』にも詳細に記述されています。
昭和2年(1927)の天皇行幸は、戦前の早い時期から、日本における南海国防の拠点として設置、利用されてきた「父島要塞司令部」と「奄美大島要塞司令部」の視察を目的として行われたものです。
その際の写真帳が、国立国会図書館デジタルコレクションで公開されています。
国立国会図書館デジタルコレクション
『聖上陛下奄美大島行幸記念写真帖』昭和二年八月 鮫島新聞舗発行
戦前における天皇行幸写真帳の発行については、その背景を理解する上で、下記の研究も参考になると思います。
右田裕規 2006「マスメディアの中の帝室 戦前期「大衆天皇制」の形成過程にかんする歴史社会学的考察」博士論文、京都大学学術情報リポジトリ
安野一之 2014「写真から読み解く、天皇を巡る検閲」
『「内務省委託本」調査レポート』第8号、千代田区図書館