鶴岡明美「描かれた幕末の小笠原 : 「小笠原島真景図」をはじめとする諸本の成立試論」

 名護市立名護博物館に所蔵されている「」は、幕末の奄美大島の様子が描かれた絵画史料として知られていますが、同じ頃に小笠原諸島の島々も描かれていました。それが「」です。
 この「小笠原島真景図」の成立背景を考察した論文が発表されているのでご紹介します。
 小笠原諸島と奄美群島といえば、日本の南海国防の拠点として、大正10年(1921)に父島要塞司令部・奄美大島要塞司令部がそれぞれ建設され、昭和2年(1927)には即位して間もない昭和天皇が行幸をした地域です。「琉球嶌真景」の成立背景を理解する上で、「小笠原島真景図」をめぐる新しい研究成果にも注目していきたいです。

鶴岡明美 2016「描かれた幕末の小笠原 : 「小笠原島真景図」をはじめと. する諸本の成立試論」『お茶の水女子大学人文科学研究』第12号、お茶の水女子大学、39~53頁