平成9年1月の発掘調査から20年が経過したという小湊フワガネク遺跡。小湊フワガネク遺跡の発掘調査は、土器編年、貝製品製作、貝交易、考古学と文献史学の相互研究等、南西諸島の考古学・文献史学の調査研究にさまざまな情報をもたらし、新しい歴史像の構築に寄与してきました。
そうした遺跡の学術的重要性と砂丘一帯に広がる良い保存状態が評価されて、平成22年8月には遺跡12,621.13㎡が国史跡に、平成28年度には特徴的な貝製品を中心に出土品1898点が国重要文化財に指定されています。
奄美群島の国立公園登録を平成29年春に控え、世界自然遺産登録も最短で平成30年夏という期待が高まりはじめている今、地域資源・観光資源としても、遺跡の学術的重要性及び今後の遺跡活用の可能性を地域や市民の皆様方にご理解いただく機会をということで、奄美市教育委員会の主催により史跡小湊フワガネク遺跡のシンポジウムが開催されます。
このシンポジウムでは、1999年に開催した小湊フワガネク遺跡シンポジウムのメンバー(山里純一・池田榮史・永山修一・高梨 修)がふたたび集まり、さらに韓国から朴 天秀(パク・チョンス)氏(慶北大学校教授)、南種子町教育委員会、鹿児島県教育委員会、文化庁も参加されて、20年間における調査研究の歩みや全国における史跡整備の事例等を確認し、小湊フワガネク遺跡をめぐる調査研究、整備活用の双方から今後の課題等を確認していくそうです。
そして、さらなる展開をみせる夜光貝匙や古代奄美社会像等の最新研究成果も紹介されるそうですから、小湊フワガネク遺跡から発信される歴史情報の面白さについても、参加されたみなさんに共有していただける場になりそうですね。