「干潟の宝石」を観察してみませんか?

干潟に生息しているミナミコメツキガニという甲殻類をご存知ですか。
甲長1.0~1.5cmぐらいの小さな球形のカニで、南西諸島だけに生息している固有種です。
小さなカニなので、こどもさんたちも怖くないと思います。
とてもユニークなカニで、人が近づくと隠れるためにクルクルと回転しながら泥の中に潜ります。
群れを成して行動していますが、近づくしあっという間に泥の中に隠れてしまいます。
だから、双眼鏡等を持っていくと、上手に観察できますよ。
また歩く時に、横だけではなく、前に歩くこともできます。
こげ茶色をしていますが、秋から冬にかけて、鮮やかなロイヤルブルーに変色します。
干潟にロイヤルブルーの群れが集まる様子は、とても美しい景色ですね。
それで「干潟の宝石」「マングローブの宝石」と呼ばれているのです。

ミナミコメツキガニとは、こんなカニです。
TAKUYA MORIHISA(森久拓也)さんのHP「眼遊 GANYU」から
ミナミコメツキガニ(Soldier Crab)

ミナミコメツキガニの色が青くなりはじめたら、南西諸島の季節は秋の訪れのサインです。
冬になれば、青味が強くなります。
今、ミナミコメツキガニは美しいロイヤルブルーの色に変化しています。
そんな「干潟の宝石」を観察してみませんか。

ミナミコメツキガニを観察するためには、地元新聞等を見て、引き潮(干潮)の時間帯に干潟に行かなければなりません。
干潮時間の2時間前ぐらいから、どんどん干潟が姿を現してきますので、歩いてミナミコメツキガニの群れを探してみましょう。
世界自然遺産候補地の奄美市住用町のマングローブ群落でも、ミナミコメツキガニの大群落を観察することができます。
山間集落に向かう県道609号線の途中から、すぐ海岸に出て、干潟散策を楽しむことができる場所があります。
この一帯で、生き物を採集することはできませんので、ご注意ください。

奄美市住用町のマングローブ群落沿いを通る県道609号線の海岸降り口

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海岸から、左側の川を進んでいくのは、水深が深くなり、ぬかるみもひどいので危険です。
観察の際、怪我や事故にはくれぐれもご注意ください。
住用川と役勝川が合流する河口側に進みながら、干潟の生き物観察を楽しんでください。
裸足で歩いても大丈夫です。
そして、マングローブ群落の中にある細い河道に入り、マングローブ群落のトンネル散策を楽しんでください。
ここは、奄美市名瀬出身の歌手・城 南海さんのデビュー曲「アイツムギ」PVのロケ場所場所でもあるんですよ。
PV、ご覧になられてみてください。

城 南海 (きずきみなみ)- アイツムギ(2012)ƒvƒŠƒ“ƒg