「小湊フワガネク遺跡出土品」国重要文化財指定に!

国の文化審議会(宮田亮平会長)は、平成28年3月11日(金)に開催された会議の審議・議決を経て、4件の美術工芸品を国宝に、46件の美術工芸品を重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申しました。
今回、重要文化財の指定が決定した46件の中に、奄美市名瀬小湊に所在する国史跡「」から発見された夜光貝匙をはじめとする1898点の出土品(考古資料)が含まれています。鹿児島県内の国重要文化財としては38件目になりますが、奄美群島で遺跡出土品(考古資料)が国重要文化財になるのは初めてです。

報道発表(文化庁)
文化審議会答申~国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定について~

報道発表資料に記載されている解説は、以下のとおりです。
「本件は、奄美大島の中部、太平洋に面した砂丘上の遺跡から出土した資料の一括である。遺跡からは、大量の夜光貝と、それを加工して貝匙を製作する各工程の資料が出土しており、6~7世紀頃にこの地で集中的な貝匙生産が行われていたことが窺える。これに加えて、貝札・貝玉等の多種多様な貝製品や、多数の貝玉とガラス小玉が副葬された5世紀頃の墓坑も発見されている。
 これらは、南島地域において集中的な貝製品生産を行った工房的性格の強い遺跡の出土品として、当時の交易を考える上でも貴重である。(古墳時代)」

遺跡全景(キャプション入)夜光貝匙修正版(キャプション入)夜光貝匙集合(キャプション入)(6~7世紀頃)再現文化財・夜光貝匙(キャプション入)参考までに、上の貝匙の復元製作品を紹介しておきます(池村 茂氏製作)貝玉・ガラス小玉(キャプション入)貝玉・ガラス小玉(5世紀頃)土器集合(キャプション入)(6~7世紀頃)

小湊フワガネク遺跡とその出土遺物については、下記のまとめた資料がありますので、ご参照ください。
国重要文化財指定を受ける出土品については、あらためて解説していきたいと思います。
奄美市教育委員会『国指定史跡小湊フワガネク遺跡 解説資料』2012年