国際自然保護連合(IUCN)は、平成27年11月19日、絶滅の恐れのある生物種リスト(レッドリスト)の最新版を発表しました。マンボウ、アユモドキ、アマミイシカワガエル、ヤンバルテナガコガネ等が新しい絶滅危惧種に追加されました。
イシカワガエルは、地球上で奄美大島と沖縄本島の二つの島だけにしか生息していないたいへん珍しい両生類です。これまで同種とされてきましたが、遺伝子分析等の研究が進められた結果、動物分類学上、同種ではない事実が明らかとなりました。現在、沖縄本島に生息する個体群は「オキナワイシカワガエル」、奄美大島に生息する個体群は「アマミイシカワガエル」と別称されています。アマミイシカワガエルは、オキナワイシカワガエルよりも色鮮やかな外見が特徴で、「日本一美しいカエル」といわれています。
このたびのIUCNレッドリストに、アマミイシカワガエルが追加されたのは、文字どおり「絶滅危惧」の恐れがあるものとして受け止めなければなりません。保護に対するハードルが高まるのはよいことだと思いますが、必ずしも喜ばしいニュースではないと思います。外来種のジャワマングースによる捕食被害は、マングース防除事業により激減していますが、ノネコによる捕食被害は今なお深刻です。アマミイシカワガエルに限らないのですが、奄美大島に生息するあらゆる生物が、本来の生態系の中で安定的に生息できる自然環境をできるだけ取り戻したいものです。
KNOWLEDGE WALKER「写真で見るレッドリスト最新版に加わった仲間たち」(外部リンク)
「IUCNレッドリスト」については、下記をご参考にされてください。
IUCN日本委員会「IUCNレッドリストカテゴリー」(外部リンク)