奄美群島におけるミカンコミバエ防除事業を学ぶ①

 1980(昭和55)年、長年の防除事業の努力により、奄美群島からミカンコミバエは根絶されました。しかし、2015年、侵入の脅威に奄美群島はふたたびさらされています。
 過去のミカンコミバエ防除事業の様子がどのようなものであったのか、あらためて学んでおくことも大切かと思います。過去のミカンコミバエ防除事業については、インターネット上でもなかなか探しにくいので、ミカンコミバエ防除事業の経過等がまとめられた公開資料を紹介しておきたいと思います。
 最初にご紹介するのは、1966(昭和36)年、奄美群島におけるミカンコミバエをはじめとする特殊病害虫の防除事業で大きな役割を果たされた「鹿児島県農業試験場大島支場」の栄 政文さん(和泊町大字玉城出身)による奄美群島の特殊病害虫の報告です。

栄政文・嶋田治一・松田鋤男(鹿児島県農業試験場大島支場)「奄美群島における特殊害虫の発生と分布」、『九州病害虫研究会報』第12号、1966、九州病害虫研究会(外部リンク)

 なお栄 政文さんは、この後1968(昭和38)年に、鹿児島県農業試験場大島支場から創立65周年記念誌として『奄美群島に発生する特殊病害虫』を刊行されています。まだ古書店で入手できると思いますので、興味がある方や関係機関の方は検索されてみてください。